炭酸泉というのはお湯に炭酸ガスが溶け込んだ温泉のことをいいます。
天然の温泉では他にもいろいろなものが混ざっていますが、特に不純物が少なくて炭酸ガスだけを含んだ温泉を単純炭酸泉といいます。
炭酸ガスは皮膚から体の中に入り込むことが出来る数少ない物質なんです。
炭酸泉の炭酸ガスが、毛細血管から血液に溶け込むと、血中の二酸化炭素濃度が上がって運動後のような酸素不足になり酸素を取り込もうと血管が広がり、血の巡りが非常に良くなります。
 
一般的に、炭酸ガスは高温のお湯に溶けにくいので日本のような湯温の高い温泉では高濃度に炭酸ガスが溶け込んでいるところは稀です。
ここで化学のお話
「炭酸泉」は、火山活動末期の地帯に多く地中の有機物の分解などで生じるため湯温が低い所に発生しやすいといわれています。
日本は活火山地帯に属し、湯温が高い源泉が多いため「炭酸泉」は少ないのです。
ヨーロッパ(特にドイツ)は温泉の水温が低い(32〜34℃)ので、高濃度の炭酸泉が湧き出している場所が多く、今でもさまざまな分野に利用されています。
その利用は古く、ローマ時代より飲用水として「身体の中からの健康増進」に利用されていました。
19世紀半ばからは入浴目的の炭酸泉浴が始まり、その人気は広まっていったのです。
ドイツでは、伝統的な循環器病の治療に使われている他に、医療施設に併設されたクアミッテルハウスという施設でリハビリテーションに積極的に利用されています。
またイタリアでは、人工炭酸泉が弱酸性であることから、スキンケアやヘアケアなど美容アイテムの一つとして認識されています。
日本の温泉の基準でもヨーロッパの温泉の基準でもお湯1リットルに炭酸ガスが1g(1,000ppm)以上溶けたものは特に効果が高いといわれています。
日本にも数ケ所に天然炭酸泉があり、中でも大分県の長湯温泉は今でも高濃度の炭酸泉が利用できる
場所として有名です。
日本国内には高濃度の炭酸泉源が非常に少なく、そのため炭酸泉の有効性もあまり認知されていませんでした。
そこで人工の炭酸泉を作る試みが研究機関や企業で始まり、近年高濃度の人工炭酸泉をつくることに成功しました。
現在では様々な医療・療養・リハビリテーションなどの現場でこの人工炭酸泉が役立っています。

・血管を広げ、血液量が約1.5倍になります。
・毛細血管の活動が活発になるため、肩こりや腰痛がやわらぎます。
・血圧が下がります。
・体内の血液がアルカリ性になります。
・体内の酸素濃度が上がります。
・通常のお湯に比べ約3倍の保温力があります。
・体の表面が弱酸性になり美容効果があります。
・体の代謝が活発になり、筋肉痛や関節痛の原因となる乳酸の減少を早めます。